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はげしい戦争を、くぐり抜けた一刀彫おひなさまの秘話。

この間、夫の実家に行った時に飾ってあった
一刀彫とそのお雛様にまつわるお話を聞きました。

ittoubori20.jpg

残しておきたいから書いてくれると嬉しいと言われたので
以下、その時に聞いたお話(正確には文章を見せてもらいました)
を書きます。うちの子たちの ひいおばあちゃんの文章です。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

二月下旬、長女の家に行った。
居間にお雛様がかざってある、一刀彫の段飾りである。

四十数年たっているのに古びた感じでもなく
ほのぼのとした思いがした。

昭和17年、長女が生まれたとき、我々夫婦には何一つなかった。

その中で忘れもしない日本橋白木屋(今の東急)
の手前にあった工芸店で、三点並んでいた中の
一番大きいひな人形を買った。

ittoubori10.jpg

50センチ四方ほどのものである。

金百円、当時の私たちにとっては大金であった。
桐の箪笥一棹が百円の時代である。

1年後次女が生まれた。そろそろ世相が怪しくなってきたときで、
戦争に入る寸前である。

次女には木目込のかわいい人形を求めた。

戦争が激しくなり、田舎のない我々は、つてを求めて少しでも
安全なところと近郊を転々とした。

背中に長女を背負い、次女を抱いて逃げて歩いた記憶は
忘れられない。

そのたびに荷物も段々とヘリ、いつの頃からか
色あせた次女のお人形を捨ててしまった。

長女の方は桐箱におさまるのでその都度持って歩いたのである。

その当時は生活に追われ人形の事など忘れていたが、
最近になり人形を捨ててしまったことに心を痛めている。

たとえ古びていても幼いころの思い出として嫁ぐ時に
渡してやれなかったかと・・・

三月のひな祭りになると毎年密かに次女にわびている

乏し世に 子ら育てつつ 心満つ足らひて             
    いまの 侘し時をり


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

我が家の一刀彫も、今飾っています、

ohinasamaittoubori500.jpg

ひいおばあちゃんの 最後の短歌が心の奥ふかくに響きました。

ひいおばあちゃんの人生もきっと色々な事があり、

幸せだったこと、悔んだこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、
裏切られたこと、捨てたこと・・

人生の晩年に差し掛かり、便利で快適になった今

何もなく、ただ誰かのために生きていたこと

それこそが、心を満たしていた・・とふりかえることができたのでしょう。

その対象は、子供ではなくても相手がだれであっても
そうなんだと思います、自分のために生きることは簡単ですが
人のために生きることは、犠牲を伴う・・・

インフルエンザにかかり息子が幼稚園を休んでいたのですが、
風邪引くと不安になるんでしょうね、夜中、はっと目を覚まし、
私のことを呼ぶんですよ、

そばにいるよ・・というと安心してしがみついて
寝ます、ただそばにいるだけでも相手を安らぐ気持ちに
できることは本当にすごいことだなぁ、と隣で寝ていて思いました。

それでは、良いひな祭りを・・!
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